2023/12/21
【税理士のための事業承継コンサルティングの強化書】出版のお知らせ
弊社は、税理士さん向けに事業承継の書籍を出版しました。
事業承継対策は、様々な検討項目がありますが、自社株の承継にかかる税金の問題にフォーカスしていることが多いと思います。
しかし、自社株の承継対策だけでは、事業承継対策としては片手落ちです。
事業承継対策で本当に大切なことは、後継者を選定・育成し、後継者にバトンタッチした後も会社が発展する体制を整えること、つまり、『経営承継』の対策を行うことです。
本書は、後継者の選定・育成から、後継者を支える組織の作り方、兄弟経営の方法など、『経営承継』について、豊富な事例とともに、わかりやすく解説し、各々について【税理士の役割】についてご説明しています。
つまり、明日から顧問先の事業承継のコンサルティングを行えるノウハウです。
弊社は、『経営承継』のコンサルティング方法について、ご理解を深められ、顧問先の発展の発展をサポートされることを願っております。
【本書の内容】
第Ⅰ章 税理士の事業承継コンサルティングの現状分析
◇社長は税理士に事業承継対策の相談をするが,税理士の対応は十分ではないかもしれない
①税理士は,事業承継対策の提案に積極的ではない
②税理士は自社株の財産権の承継のアドバイスのみ行っている
◇なぜ税理士は事業承継コンサルティングを行っていないのか
~コンサルティングのノウハウと顧問報酬~
◇社長は税理士のコンサルティングに期待している
~事業承継対策は,信頼している税理士にお願いしたい~
✤ 社長は,自分を絶対に裏切らない「味方」である税理士に任せたい
✤ 税理士は事業承継の専門家であり,事業承継対策を任せたい
✤ コンサルティングへの第一歩を踏み出す
第Ⅱ章 コンサルティングの目標設定
◇事業承継コンサルティングの目標
~会社の存続・発展と関係者全員の幸せを願うこと~
①会社の存続・発展
②社長のハッピーリタイア
③親族の納得感
◇コンサルティングを行う税理士の目標
第Ⅲ章 コンサルティングノウハウを身につける
◇事業承継対策の全体像の確認
✤ 事業承継対策とは何か?
✤ 事業承継対策で取り組むべき15の検討事項
◇事業承継対策15項目のアクションプラン
1.後継者の選定
A 親族内承継・親族外承継共通の場合
✤ 後継者の選定が事業承継対策の最重要課題
✤ 社長が後継者を決めるのは簡単ではない
✤ 後継者候補は,あくまでも『候補者』である
✤ 会社を継がない子供のケア
【税理士の役割1】 早急に後継者選定をしなくてはならないことを説明する
【税理士の役割2】後継者選定について,第三者としての意見を述べる
【税理士の役割3】後継者候補に意思確認をする
【税理士の役割4】後継者になれなかった子供をケアする
B 親族外承継の場合(社内の非同族役員に承継するケース)
✤ ナンバー2としての優秀さは,社長の適性とは関係がない
✤ 非同族役員が社長になるための覚悟
✤ 非同族役員への意思確認は早急に行う
✤ 非同族役員が自社株を承継することは資金負担の面で難しい
✤ 後継者が未定の場合,社員も事業承継の動向には関心がある
【税理士の役割1】非同族役員への早期意思確認を促す
【税理士の役割2】
事業承継対策をしていることを,社員に理解していただく方法を考える
2.後継者の育成方法
✤ 社長の知識・経験とノウハウを引き出すことの重要性
✤ 後継者が財務,税務,法務等,経営に必要な知識を習得する事の重要性
✤ プレッシャーを抱えている後継者のサポート
✤ 社外に勤務している後継者候補へのアドバイス
【税理士の役割1】
社長から知識・経験とノウハウを引き出し後継者に必要なスキルを情報として伝える
【税理士の役割2】財務,税務,法務等,経営に必要な知識を習得させる
【税理士の役割3】後継者の相談相手になり成長をサポートする
【税理士の役割4】社外にいる後継者候補に対し働きかけを行う
3.経営体制の構築
✤ 後継者世代の役員を育てる必要性
✤ 後任役員への業務の引継
✤ 親族役員のポジションチェンジ
【税理士の役割1】 次世代役員の早期選定と育成の必要性を社長に提案する
【税理士の役割2】 社長世代の親族役員への引退勧奨と退職金支給額の交渉
4.株主構成の検討
✤ 経営に必要な持株シェア
✤ 安定株主対策の検討
✤ 少数株主対策の重要性
✤ 自社株の集約は,事業承継前に行うべき
✤ 株式の集約のために,相続人への売渡請求制度を検討する
✤ 第三者株主への対応
【税理士の役割1】支配権確保の重要性を社長に理解していただく
【税理士の役割2】 後継者が支配権を確保し,スムーズに経営できる株主構成を検討
【税理士の役割3】自社株の買取交渉サポート
【税理士の役割4】第三者が株主になっている場合の買取
5.経営と自社株を渡す時期の検討
✤ 経営を渡す時期
✤ 自社株を渡す時期
【税理士の役割】後継者育成が最優先であることを徹底する
6.社長交代についての関係者の理解
✤ 後継者は無条件に受け入れられるわけではない
【税理士の役割1】取引先との関係構築
【税理士の役割2】銀行との関係構築
【税理士の役割3】社員への対応
7.「自社株の承継」の実行に関する方法の検討
✤ 自社株を渡す方法の検討要素
✤ 支配権の確保が確実な承継方法
✤ 資金負担の検討
✤ 自社株移転において活用する制度
〜事業承継税制(納税猶予制度)を対策の検討から除外しない〜
✤ 複数の方法を組み合わせることが重要
【税理士の役割1】 後継者の支配権確保を最優先に考えた上で,実行可能な方法を検討する
【税理士の役割2】渡す方法を組み合わせ,全体計画を立てる
【税理士の役割3】納税猶予制度の検討
8.株価対策の検討
✤ 株価を劇的に下げることは難しくなっている
✤ 株価対策のリスク
✤ 株価が下がるタイミングを利用することは正しい
✤ 社長は,株価対策のための複雑なスキームを必ずしも望んでいない
【税理士の役割1】株価の下落要因を整理して社長に説明する
【税理士の役割2】株価対策のリスクを説明する
【税理士の役割3】株価が下がるタイミングをアドバイスする
9.正確なバランスシートの引継と資産内容の見直し
【税理士の役割1】 実態に合ったバランスシートを作成し,会社の本当の価値を示す必要性を社長に説明
【税理士の役割2】活用が見込めない不良資産の処分
10.各種社内規程の整備
【税理士の役割1】各種社内規程の見直しの重要性を社長に説明する
【税理士の役割2】規程見直しをサポートする
11.社長がリタイアする際に必要な資金
✤ 社長のリタイアに際して必要な資金とその算定方法
✤ 必要資金の準備
✤ 親族役員の納得感を得る
【税理士の役割1】必要額を算定する
【税理士の役割2】親族役員の納得感を得るためのサポート
12.自社株を含めた社長の個人財産の承継
✤ 後継者に自社株を渡すことが必要
✤ 後継者が自社株を相続することを阻害する要因
【税理士の役割1】 社長に法定相続分での遺産分割が難しいことを理解していただく
【税理士の役割2】遺言作成に関するアドバイスを実施
【税理士の役割3】遺言内容を生前に説明する
【税理士の役割4】法律や制度を活用した対策方法をアドバイスする
【税理士の役割5】生命保険の活用をアドバイス
13.兄弟経営についての検討
✤ 兄弟経営は一般的に難しいことを理解する
✤ 後継者になれなかった子供への対応
✤ 会社分割は中小企業にとって,必ずしも効果的ではない
【税理士の役割1】社長に兄弟経営の難しさを理解していただく
【税理士の役割2】兄弟経営の実現可能性の確認
【税理士の役割3】対策方法の検討と実行
14.関連会社のあり方の見直し
✤ 関連会社の状況確認と,今後のあり方の見直し
【税理士の役割】 関連会社のあり方の見直しの必要性を説明し,検討を促す
15.M&A(売却)の検討
✤ M&A仲介会社に依頼する場合
✤ M&Aをファイナンシャルアドバイザー(FA)に依頼する場合
✤ 売手企業の取引先・同業他社への譲渡を検討
【税理士の役割1】買手企業を見つける方法を説明する
【税理士の役割2】M&A仲介会社やFAの事前リサーチをする
【税理士の役割3】M&A仲介会社やFAに丸投げにせずサポートする
【税理士の役割4】譲渡価額の交渉をする
【税理士の役割5】社長の心情に寄り添う
第Ⅳ章 コンサルティングのスタート
◇コンサルティング実行時の心構え
✤ 自分自身をコンサルタントであると認識する
✤「貴方に任せる」と,信頼されることを目指す
✤ 最終的には社長が判断する必要があることを確認する
◇コンサルティング実行における税理士のスタンス
〜事業承継対策は,税理士が積極的・主体的に行うものです〜
✤ 事業承継対策の進行をリードする
✤ 税理士が事業承継対策チームのコーディネーターになる
✤ 必要なことは全て,社長に代わってリサーチする
◇社長に事業承継対策のスタートを促す
✤ きっかけをつくるのは親族ではなく,第三者である税理士
✤ 事業承継対策のスタートを納得させる方法
◇コンサルティング契約の締結は必須事項
✤ コンサルティング契約締結の意義
✤ 提供できるコンサルティングメニューの提示
✤ コンサルティング契約は,成功報酬か? 月額報酬型か?
第Ⅴ章 コンサルティングの具体的アクション
◇提案に必要な情報の入手と整理
✤ 社長の考えをヒアリングする
✤ プランニングに必要なデータの入手と情報整理
◇親族関係者との関係構築
✤ 良好な人間関係構築の重要性
✤ 社長だけの味方になるのではなく,全体の調整役になること
◇プランニングの手順
✤ 事業承継対策のセオリーに従うのではなく,社長の考えが優先する
✤ 事業承継対策で検討すべきことを選択する
第Ⅵ章 よりよい提案の方法
◇提案書の作成
✤ 提案は口頭ではなく,資料を作成して行う
✤ 正しい提案書の構成
✤ 会社にマッチした提案をする
✤ 提案の時点修正
◇社長とのコミュニケーション方法
〜社長や関係者に最大限の配慮をしましょう〜
✤ 常に辞めたくない社長のお気持ちを想像する
✤ 専門用語は極力使わない
✤ 社長の考えを整理する過程をサポートする