さて、コラム12回では、未上場企業の株価算定方法の全体像について、ご説明しました。
復習しますと、次のような内容でした。
- 株価算定方法は、純資産価額方式・類似業種比準価額方式・配当還元価額方式の3つ
- 経営者が後継者などの親族に自社株を渡す場合
▶ 純資産価額方式・類似業種比準価額方式 - 経営者が従業員などの少数株主に自社株を渡す場合
▶ 配当還元価額 方式 - 3つの方法で、株価算定をした価額は、一般的には、
純資産価額・類似業種比準価額 > 配当還元価額という関係になる。
いかがでしょうか。上記について、今はまだ、漠然としたイメージで構いません。
経営者が後継者に自社株を渡す時は、株価が高いことを念頭に置いていただき、その高い方の算定方法である、純資産価額・類似業種比準価額のうち、今回は、純資産価額方式のご説明をいたします。
純資産価額は、会社を清算した時に手元にいくらお金が残るのかを計算する方法
株価算定というと、難しい感じがしますが、簡単にいうと会社の価値を計算する方法です。
それでは、会社の価値は何か?と考えると、会社を清算する時に手元にいくらお金が残るのか?ということを考えることです。
まず、みなさんが会社の経営者になって、会社を清算する状況をイメージしてください。
会社を清算する時には、会社の資産を売って現金化します。
そして、そのお金がすべて自分のものになるのではなく、買掛金や借入金などの負債を支払わなければなりません。
つまり、会社の資産マイナス負債が純資産です。とてもシンプルですね。
貸借対照表をご覧になった方であれば、すぐおわかりになると思います。
では、会社の貸借対照表に純資産の部がありますが、それが株価算定上の純資産価額かと言うと、そうではありません。
資産の部には、不動産・有価証券など、購入した時よりも価額が上昇するものがありますが、貸借対照表上は、購入した時の価額のまま表示されており、現在の価額ではありません。(時価会計の場合は除きます)
つまり、会社を清算する時に不動産や有価証券を売った場合、購入した時よりも高い金額で売れる場合があり、その場合には、購入した時と売った時の差額分も受け取ることになりますので、会社の価値として計算しなくてはならないということです。
ですから、不動産や有価証券など、購入した時と現在の価額の差額、つまり含み益を計算して、資産にプラスする必要があります。
貸借対照表を確認しながら、純資産価額を理解する
◆Step1 貸借対照表の資産に含み益をプラスする
次の貸借対照表のイメージ図をご覧ください。
太枠は、みなさんがご覧になっている貸借対照表の数値です。覚えなくても良いのですが、それを簿価と言います。
そして、さきほど申し上げましたように、不動産や有価証券など、購入した時と現在の価額の差額、つまり含み益を計算して、資産にプラスする必要があります。
その含み益は、図のBです。
・・・さて、さらに詳しい説明をお読みになりたい方は、【これならわかる株価算定】をお読みいただければ幸いです。
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