みなさま、よくご存知のユニクロ/柳井 正会長兼社長が、これから経営者になる人のために書かれた本です。
とてもわかりやすい言葉で書かれていますが、柳井さんのご経験に基き、経営の本質を突いた本です。
本書において、経営者に必要な四つの力と四つの顔を次のように解説されています。
<必要な力> <必要な顔>
◆変革する力・・・・・・・イノベーター
◆儲ける力・・・・・・・・商売人
◆チームを作る力・・・・・リーダー
◆理想を追求する力・・・・使命感に生きるもの
更に、これらを詳しく解説していますが、例えば「変革する力」については、下記のように書かれています。
・目標を高く持つ
・常識を疑う。常識にとらわれない
・基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追及する
・リスクを恐れず実行し、失敗したらまた立ち向かう
・厳しく要求し、核心をついた質問をする
・自問自答する
・上を目指して学び続ける
これらはほんの一例で、本書のどこを切り取ってご紹介すれば良いのかわからないほど、経営の実践に役立つ内容が盛りだくさんです。
読み終えた後には、経営者が常にチャレンジして、会社をリードしていかなければ、会社は発展しないだけでなく、衰退する可能性が高いということを感じられることでしょう。
また、本書はノートという名称の通り、本の中央部に文章があり、その周囲にはノートのような罫線があり、どんどん書き込むことができる構造です。
柳井さんの書かれた内容は、全ての業種に当てはまる内容ですが、より詳細に自社の状況に適合させるために、アイデアを書いたりしてノートのように活用することができます。
事業承継においては、「後継者教育」に限定した後継者向けセミナー、後継者塾のようなスクール、そして書籍があります。
確かに、後継者は先代から経営を引き継ぐ際に、学ばなければならない特有の項目もありますが、先代からバトンタッチを受けた後は、自ら起業した人と同様に経営者として、いかに早く一人前になるかということが重要になります。
私は、事業承継対策のコンサルタントとして、「後継者教育」というジャンルの書籍を幅広く読んでおります。
そんな中、かなり以前に、後継者教育という視点ではなく、経営の視点で読んだ本書のことを思い出して読み返したところ、後継者には必読の1冊であると感じました。
2015年に発売された本ですが、全く色褪せないどころか、今後ロングセラーになっていく名著だと思います。
後継者の皆様には、経営者になるための教科書として、ぜひ本書をお勧めいたします。