書籍のご紹介② 小さな会社の「永続経営」乾 二起 著 | 株式会社クロスリンク・アドバイザリー

コラム

2020/6/11

書籍のご紹介② 小さな会社の「永続経営」乾 二起 著

本書は、大阪の中小企業の6代目経営者が、会社を継いだ経験を通して「創業者」とは異なる「後継者」の役割について、その難しさと取り組むべき内容について解説された本です。

後継者にとってのマニュアル

事業承継対策において、後継者教育は重要です。
しかし、事業承継対策の書籍やセミナーにおいて、後継者がどのような心構えで、何を勉強し、どのような取り組みをすべきなのかという情報は少ないものです。

本書は、著者が経営学・管理論、心理学を学ばれた上で、それを実践に生かした結果について、とてもロジカルに説明されています。
後継者は、経営についての理論をベースとし、それをもとに実績を積み重ねていくことで、社員の信頼を築くことや、創業時代とは異なる会社が永続経営する仕組みを構築することなど、実践的に書かれており、まさに後継者にとってのマニュアル本と言えるでしょう。

読みやすいけれど、クオリティが高い

239ページというページ数にもかかわらず、内容はとても充実しています。
また、SWOT分析、ランチェスター戦略など専門的な内容も、わかりやすく読みやすい文章で書かれており、一気に読むことができます。
ただ、私としては、一度読んで終わりではなく、重要な部分は読み直したいと思い、手放せない1冊になりました。

後継者教育を実行された先代経営者が、その内容を書籍にされているケースは、ほとんどないでしょうし、後継者ご自身で、ここまで論理的にわかり易い解説をされた本は珍しいと思います。

後継者と事業承継の提案者は必読です

後継者候補の方には、必ず読んでいただきたい本です。
また、後継者候補以外の方だけでなく、経営者に事業承継対策の提案をされる税理士、中小企業診断士、弁護士、銀行員の方にも是非お読みいただきと思います。
なぜなら、事業承継対策において、後継者の選定と育成はとても重要ですが、提案者は当然のことながら後継者としての経験がありませんので、経営者に対して正しいアドバイスができていないからです。

この本を読んだ上で、後継者教育には何が必要なのかということを、経営者とディスカッションされると、とても有意義だと思います。

  


  

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