年末年始は事業承継について考えるのに良いタイミングです | 株式会社クロスリンク・アドバイザリー

コラム

2020/12/30

年末年始は事業承継について考えるのに良いタイミングです

日頃、業務でお忙しい経営者の皆様も、年末年始は比較的お時間の余裕が生まれるのではないでしょうか。
特に、2021年は、初詣に出かけて外食をするという、当たり前のお正月の過ごし方はできないので、ご自宅でゆっくりされる方が多いかと思います。

そんな時に、日頃、「考えなくてはならないけど、先送りにしている事業承継」について、お考えいただきたいと思います。
また、親族でお話しをされる時間もおありだと思いますので、可能であれば、対策の実行もご検討いただきたいと思います。

【ご検討いただきたい内容とポイント】

事業承継対策について、ご検討いただきたい内容は下記の通りです。

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誰に・何を

  • 後継者を誰にするのか?
  • 自社株を誰に渡すのか?
    (自社株を後継者以外にも渡す場合には、渡す相手ごとのシェア)

〇後継者を誰にするのかを考える

事業承継対策においては、後継者を誰にするのかということが一番重要です。
ですから、この検討は簡単ではありません。
ひとり息子に継がせたいと思っても、実際に継いでくれるかどうかわかりません。
また、もし後継者候補が長男、次男など複数いる場合には、選ぶのは簡単ではありません。
候補者同士が納得する方法で後継者の選定を行うことは、後継者がスムーズな経営を行う上で、重要です。
したがって、このようなケースでは、後継者として決定するための客観的な基準を設けて、評価することは良い方法です。

年末年始に、その客観的基準をお考えになり、内容が固まったところで、後継者候補にお話しをしていただくことになります。

〇自社株を渡す相手について考える

自社株は、後継者と経営に関する人に渡すことが好ましく、できれば、後継者が2/3のシェアを確保できるようにすると、株主総会の特別決議をひとりで可決できるので、後継者の経営はスムーズです。

子供たちには、自社株を均等に渡したい」と、お考えになる経営者もいらっしゃいますが、経営に関与しない人に自社株を渡してしまうと、後継者にとっては、会社の意思決定がスムーズではなくなりますし、また、経営に関与しない人は、自社株よりも金融資産を相続した方がありがたいと考えることが多いものです。
それらを考慮して、自社株のシェアご検討ください。

いつ

これは、文字通り事業承継のタイミングです。
ただ、考える項目はひとつではありません。

  • いつ、後継者の指名をするのか?
  • いつ、社長のイスを後継者に、渡すのか?
  • いつ、自社株を後継者や親族に渡すのか?

これらの時期を考える必要があります。
そして、さらに、これらに付随して、検討する項目もあります。

  • 社長ご自身は、完全にリタイアされるのか?
  • 社長のイスを後継者に渡した後、会長職に退くのか?その場合、代表権はどうするのか?

社長は、会社を託したいと考えている後継者候補がいても、なかなか後継者として指名しないことが多いものです。
例えば、後継者候補であるご子息が学生だったり、他社勤務の場合、子供自身の気持ちや子供の人生を考えて、後継者の指名をためらうことがあると思います。
しかし、その場合でも、社長として将来会社を継いで欲しいというお気持ちがあるのであれば、後継者候補に、その気持ちを打ち明けることは重要です。

社長としては、後継者候補から断られる不安をお持ちかもしれませんが、後継者候補も、自分は後継者として期待されているのかどうかわからず、不安な気持ちでいる場合があり、人生の選択が難しくなっていることがあるのです。
後継者候補は不安であっても、自分から、社長に対して事業承継の話をすることは難しいので、ぜひ社長からお話しいただければと思います。

まとめ

事業承継対策は、検討すべきことが多いので、日々の業務を行いながら考えるのは難しいものです。
会社の存続・発展のために、ぜひ、年末年始にお時間をたっぷり使って、ご検討ください。

■いつ・誰に・渡すのかについてのご検討をされる場合には、この本がお勧めです。

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